2013年12月29日日曜日

Glenn Gould/グレン・グールド 「A State of Wonder: The Complete Goldberg Variations 1955&1981」



先日、コールドベルグ変奏曲について書きましたが今回はその続きで名実ともにこれぞ定盤!と言えるかと思われるグールドの録音について書きます。

カナダが誇る不世出のピアニスト、グレン・グールド。この曲は彼が最初と最後にメジャーレーベルでレコーディングしてものと言うだけではありません。アメリカ合衆国デビュー・コンサート・ツアー(当時22歳)で同曲を弾いて多大なる評価を享受したことが彼のピアニストとしての成功のきっかけとなったとも言われています。さらには彼が勝ち得た名声によって、この曲がより一般に知られるようになったともいわれています。コールドベルグあってのグールド、グールドあってのコールドベルグと運命的がつながりがあるとしか思えません。あまり知られていないかもしれませんが、彼はゴールドベルグの録音を4つ残しています(http://www.bach-cantatas.com/NVD/BWV988-Gould.htm

僕はもう30年ほど前に彼の1981年録音のLPを買って初めて、グールドを知り、バッハの器楽曲の魅力にとりつかれました。なぜこれを買ったのかは良く憶えていないのですがたぶんステレオ雑誌のレビューでも読んだのだと思います。このレコーディングはより普遍的な魅力を持つようで、我が家でこれを聴いてこのCDを買い求めたクラシックとは縁のない友人・知人が何人もいます。

『The Goldberg Variations - Glenn Gould Plays Bach (1981)』というDVDにほんの少しだけグールドのインタビューがはいっていますがその際になぜ2度目の録音をするのかと聞かれ、リズム・テンポが云々と言ったあとに、嬉々として少しはにかむようにドルビーだのステレオだのと語っていたシーンがオーディオファイルの僕にとっては印象的だったのを良く憶えています。コンサート活動をやめて主に自宅のスタジオでのレコーディングが音楽活動の中心だったグールドならでは談話だったかと思われました。このDVDにはグールドがかの有名な「グールドの椅子」に座ってゴールドベルグ変奏曲を演奏をする様子が記録されており、ミキシング・ルームでの編集に携わる彼の姿もほんのチョとだけですが見ることができます。

グールドの椅子(YouTube)

 グールドのゴールドベルグのCDで特にお薦めなのは、『Glenn Gould : The Complete Goldberg Variations (1955 & 1981):  A State of Wonder』という生誕70年・没後20年記念として2002年に出されたCDセット。これには彼のメージャレコーディングデビューとなった1955年録音版と亡くなる直前に録音された1981年の演奏の両方がインタービューとアウトテイクがはいったボーナスCDと共に収められています。特筆すべきは、1981年の演奏が当時バックアップとして録音されたアナログ・テープをDSDに変換し編集・マスタリングしたバージョンで収められているということ。このCDセットの企画・作成に携わったプロデュサーがデジタルとアナログのテープを聴き比べ、アナログテープの音があまりにも良いのでそれを使用することにして当時の記録をもとにデジタル・マスターと同等に編集したとの談話を読んだことがあります。実際に素晴らしい音で、我が家で聴き比べをしたら全員アナログテープ・バージョンのほうがよいとの結論に達しました。

デジタル録音はきらびやかな音でチェンバロを彷彿させますが、アナログテープ・バージョンのほうは素晴らしくリアルなピアノの音でこちらのほうが演奏の細かなニュアンスがより良く判りグールドの表現の意図と感情がはっきりと伝わってくるような気がします。


『The Goldberg Variations - Glenn Gould Plays Bach (1981)』演奏シーンの一部

Glenn Gould 公式HP: http://www.glenngould.com/us/home


CDセット・DVD共にまだ買えるようです:



2013年12月21日土曜日

Simon Beck(サイモン・ベック)氏 のSnow Art (雪上絵)

 https://www.facebook.com/snowart8848 から引用 (Source)
妻が教えてくたSimon Beck(サイモン・ベック)氏 の雪上アート。 オリエンテーリングの地図製作が本業で英国出身のBeck氏は2004年にフランスのスキーリゾートに別荘を買った際にこのスノー・アートを遊びではじめたのだそうです。すごいですね~。一度是非この目で見てみたいです。
 実際のスケールがわかるかと思います。https://www.facebook.com/snowart8848 から引用 (Source)


同上。https://www.facebook.com/snowart8848 から引用 (Source)


この様なスケッチをもとに: https://www.facebook.com/snowart8848 から引用 (Source)

自ら歩いて絵を完成させるのだそうです(写真で歩いているのはBeck氏):
https://www.facebook.com/snowart8848 から引用 (Source)



作成中のSimon Beckさんの動画:


Simon Beck 氏のHPはこちらのフェイス・ブックページです:https://www.facebook.com/snowart8848
氏のフェイスブックページの写真などのコンテンツは転載自由と明記されています。

2013年12月18日水曜日

ウィーン国立音大予備科生徒たちのバイオリンコンサート


コンサートの案内


12月16日月曜日の夜は妻とウィーン国立音楽大学に行って、そこでバイオリンを教えている Marina Sorokowa (マリーナ・ソロコワ)教授の門下生のコンサートを聴いてきました。門下生といってもこの日は大学生では無くて小~高校生でいわゆる予備科と才能のある小さな子供達の特別コースの生徒さんたち。知り合いのお嬢様がその予備科の生徒さんでお誘いを受けました。
 
ソロコワ先生は国際コンクール入賞者を輩出している子供のヴァイオリン指導のスペシャリストだそうで世界中から集まった若い音楽家たちの素晴らしい演奏を満喫することができました。いままで多くの若い人たちのパフォーマンスを聞く機会がありましたが、上には上があるものなのだという事がよくわかった演奏会でした。彼ら・彼女らが5年先、10年先にどのように育っていくかとても楽しみです。

2013年12月17日火曜日

Franco Fagioli(フランコ・ファジョーリ)の Händel's Rinaldo (ヘンデルのリナルド)


観客の喝采に応えるキャスト(Canon S95)

12月14日(土曜日)の夜は妻とオペラ・コンサートをみてきました。演目はヘンデルのリナルド。会場はTheater an der Wien (アン・デア・ウィーン劇場)。先週、大学の同窓の友人からコンサートを観にウィーンに来るとの連絡があり、よくきいてみるとアルゼンチン出身のカウンター・テノールFranco Fagioli(フランコ・ファジョーリ)の大ファンであるとのこと。世界中から彼のファンが集まってくるのだそうです。当然ながら切符は完売状態だったのですが、当日劇場で余ったチケットを入手することが出来ました。 この日のキャストは以下の通り:

Conductor:Riccardo Minasi、Goffredo:Varduhi Abrahamyan、Almirena:Emöke Baráth
Rinaldo:Franco Fagioli、Eustazio:Xavier Sabata、Argante:Riccardo Novaro
Armida:Karina Gauvin、Orchestra:Il pomo d´oro

Il pomo d´oroは最近結成されて古楽器演奏のオーケストラ。生き生きとした絶妙な演奏で歌手を引き立て演奏を盛り上げてくれました。素晴らしいコンサートを楽しむことが出来ました。歌手の方々みんなとてもよかったですが、Riccardo Minasiの指揮とバイオリンソロには特筆するものがあると思いました。

Theater an der Wienの天井(Canon S95

Franco Fagioli(フランコ・ファジョーリ)のHP: http://www.franco-fagioli.info/

Il pomo d´oroのFacebookページ:https://www.facebook.com/ilpomodoroorchestra

Riccardo MinasiのHP: http://www.riccardominasi.com/site/Home.html

Theater an der Wienの HP:http://www.theater-wien.at/
Das neue Opernhaus(新しいオペラハウス)と名乗っているだけあって、国立歌劇場とは一味もふた味も違ったプログラムと演出でクラシック音楽ファンに見逃せません。

Fagioli、Minasi、Il pomo d'oroの共演CD、Naiveレーベルなので音も良さそう?:


2013年12月14日土曜日

OM-D EM-5と Lumix G Vario 7-14mm F4 ASPH





11月の初旬に休暇で帰省した際に予てから欲しかったLumix G Vario 7-14mm F4 ASPHを購入しました。夏にOM-D E-M5を購入した際に欲しかったのですが品切れで入手できなかったものです。もちろんヨーロッパで買うことも出来るのですがこちらでは価格がかなり高く設定されており次回の帰国の際にと心に決めてありました。

下の写真で判るようにとても素晴らしい写りです。僕は、ニコンのフルサイズ・システムでAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDを使っていますが、それを彷彿させる写りです。もちろん、フォーマットの大きさに伴う有利性(実際の焦点距離を含めて)もあるのでNIKKOR 14-24mm f/2.8G EDがよりシャープで高解像ではありますが、価格とサイズ、そしてフォーサーズと言うフォーマットの制約を勘案すると実に優秀なレンズであると言えます。


守礼門、実家から歩いて10分ほど。 有名な観光名所ですが僕は隣接する城西小学校に通っていたので、子供の頃毎日のように見ていたとても懐かしい場所です。Olympus OM-D E-M5 Lumix G Vario 7-14mm F4 ASPH (@7mm) 1/160 F8 ISO200, RAW

那覇市松尾、国際通りからちょっと入ったこのあたりは父の伯母が生前住んでいた場所で物心ついた頃からよく家族で遊びに来ていました。長年たった今もあまり変わらず、その頃を思い出させる懐かしい風景です。Olympus OM-D E-M5 Lumix G Vario 7-14mm F4 ASPH (@7mm) 1/640 F8 ISO200, RAW



何しろこのレンズはAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDの1kgに対して1/3以下の300g。E-M5につけてもニコンのボディ(D610、D700、D800)のみの重さより2~4割は軽く、気軽に持ち歩け写りもいいので買って数日はとても満足して使っていました。僕は超広角のレンズが好きなのです。

ところがある晩、その日に撮った写真をパソコンで編集していると、下の写真のような濃い紫の丸が...うーん

母校、首里高校の正門
Olympus OM-D E-M5 Lumix G Vario 7-14mm F4 ASPH (@14mm) 1/60 F5.6 ISO200, RAW


拡大するとこんな感じ:


ゴースト部分の拡大

ゴーストやフレアがでること自体はそれほど大きな問題ではないのですが、それが濃い紫色であるという点だけは問題。このような見慣れない色・形のゴーストやフレアは写真を見る側とっては欠陥のあるようにしかみえませんよね~。 しかも、ソフトで手直しできません。

他にもこの様なフレア・ゴーストがある写真多数ありました。僕が好んで撮る状況やアングルでは頻発するようです...。

Olympus OM-D E-M5 Lumix G Vario 7-14mm F4 ASPH (@9mm) 1/30 F4 ISO1000, RAW


ゴースト部分の拡大

濃い紫色のゴースト以外には問題がない優秀なレンズであるし、マイクロフォーサーズのレンズでこの画角はこれしかないので、色々と試してみてこの様なゴーストが出る場合のパターンを見つけ使いこなしでどうにか対応できないか探りましたが、使いこなしでコントロールする方法を見つけることが出来ませんでした。結論を言うととても残念だったのですがこのレンズを返品し、オリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6を購入しました(ちかじかレビューを書きます)。

これはこれでさらに軽くてコンパクトでしかも安いのは良いのですが僕にとっては画角的にも画質的にも中途半端で欲求不満が残ります。仕方がないですかね? マイクロフォーザーズではこの2つ以外に35mm換算20mm以下の超広角のレンズの選択肢はありません。フォーザーズ用のZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F4.0があるだろうって? そうですね、それがとても素晴らしいレンズであることも判るのですが、値段が高い上に重いので、僕にしてみればこれだったらあえてオリンパスを使う必要は無く、Nikonを使えば良いやと思うのです。

ネットをみると、この様な現象はオリンパスのボディを使うと出てくるという様な書き込みが多く見受けられました。パナソニックのボディでこのレンズをお使いの方がいれば実際のところがどうなのか教えていただけると感謝します。 実は、帰省した際にLumix GX7を見て気に入ったので、もしパナソニックのボディーで紫のゴースト/フレアが出ることなくこのレンズが使えるのであれば、つぎはオリンパスで無くパナソニックのボディを買おうか?な~んてことまで考えているのでした(笑)

くどいけど、濃い紫のゴースト/フレアさえなければ僕のお気に入りとなるレンズなので気分が釈然としません。Lumix G Vario 7-14mm F4 ASPHはマイクロフォーサーズのレンズのなかでは最も高い価格帯のレンズでもあるのでメーカーの方で何らかの対応・改良をして欲しいと思います。

もし、この様な現象はオリンパスのボディを使う際のみに出てくることが事実ならば共通規格として売り出しているマイクロフォーサーズでこの様な問題がおきないようにメーカー間で対応をしていただけるとありがたいと思います、と言うかそれが当然ですよね。

紫のゴースト/フレアがあっても気にしない!と言う方のためにアマゾンのリンクを一応つけておきます:




追伸:この件に関してはどうしても気になったのでこのブログの投稿と似通った内容のレビューをアマゾンに書きました。このブログの投稿はマネッコしている訳ではありませんで誤解の無きようよろしくお願いいたします。



2013年12月11日水曜日

クリスマス・マーケット


Maria Theresienplatz(マリアテレジア広場)バックの建物はKunsthistorisches Museum(美術史美術館)
Nikon D700 , AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

今年もクリスマスマーケットの時期になってきました。11月の後半からウィーンは段々とクリスマスのムードになり、日が短くなって灰色で暗く寒いウィーン街がイルミネーションの飾りつや方々にたつクリスマス市でパッと明るくなります。英米違って、ヨーロッパ大陸のクリスマスは様々なお祝いの日々が12月初めからありクリスマスの日はその〆いった感じです。去年の投稿もよければご覧ください
クリスマスツリーの飾りを売る屋台 Maria Theresienplatz(マリアテレジア広場)
Nikon D700 , AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

マリア・テレジアはハプスブルク家のオーストリア大公兼ハンガリー・ボヘミア女王で、勇敢で聡明で有能な統治者として知られており、オーストリア/ハンガリー帝国を隣国の侵略から守り抜いただけではなく、大々的な教育、行・財政、軍事の改革を行い帝国復興の立役者とされており、今でもオーストアでは信望が厚い歴史上の人物。フランスに嫁いだマリーアントワネットの母でもある。彼女の大きな銅像がその中心にあるMaria Theresienplatz(マリアテレジア広場)は、旧ハプスブルク家の王宮の向かいにあり美術史美術館、自然史美術館そして数館の美術館からなる複合施設のミュージアム・クォーターに三方を囲まれています。

Maria Theresienplatz(マリアテレジア広場)
Nikon D700 , AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

下の写真は、ウィーンのクリスマス市の中でも最も有名な市庁舎前のマーケット。毎年すごい人出で賑わいます。

Rathausplatz(市庁舎前広場)バックはウィーン市庁舎
Nikon D700 AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED





2013年12月7日土曜日

Berliner Philharmoniker Digital Concert Hall - Gustavo Dudamel


我が家はGustavo (グスターボ)の大ファンなので、彼が指揮するベルリン・フィルをデジタル・コンサートホール・ライブで昨夜(12月6日)観ました。これで観るのは初めてですが、思いのほか良くて面白かった。ユーザー登録しクレジットカードかPayPalで視聴料を払うだけ。僕は一番安い7日間観放題 9.9ユーロを選びました。

HDMIケーブルでテレビにもつないでいるPCオーディオ用のMacMiniを使い、画像はテレビ、音声はWiess DAC2を通してメインシステムから。DAC2はデジタルストリーミングの音声を難無く変換するでこのような場合により高音質で聴くことが出来ます。画質/音質ともに結構良いしアーカイブスに保存された過去のコンサートの動画もみれるので是非試してみてください。サイトは日本語での表示も選べます。

そこそこのスピードでネットにさえ接続できればベルリンでのコンサートをライブで世界中どこからでも観れるのですからすごいですね!

ベルリン・フィル・デジタル・コンサートホール:http://www.digitalconcerthall.com/ja/


2013年12月6日金曜日

Andris Nelsons and Wiener Philharmoniker


(Canon S95)

12月2日月曜日は妻と二人でAndris Nelsons (アンドリス・ネルソンス) 指揮 ウィーンフィルのコンサートに行って来ました。場所は楽友協会大ホール。プログラムは:

Joseph Haydn: Symphonie C-Dur, Hob. I:90 (ハイドン:交響曲90番)
Felix Mendelssohn Bartholdy: Konzert für Violine und Orchester e-Moll, op. 64 (メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲)
Richard Strauss: Also sprach Zarathustra. Tondichtung frei nach Friedrich Nietzsche für großes Orchester, op. 30 (リヒャルト・シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき)

バイオリン協奏曲のソリストはウィーン・フィル コンサートマスターのVolkhard Steude (フォルクハルト・シュトイデ)氏。


もう、文句なしの素晴らしいコンサートでした。ウィーン・フィルの楽友協会でのコンサートは定期公演で主でその購読は16年待ちとも20年待ちともいわれており、なかなか観れる機会がなかったのですが今回は運良く切符を入手することが出来ました。ネルソンスの指揮はウィーン・フィルのホームグラウンドでのよさを完全に取り出し、それぞれの曲の良さをハイライトしたようなとても魅力的なものでした。特に『ツァラトゥストラはかく語りき』は重厚で荘厳な演奏でとてもよかった。シュトイデ氏のメンデルスゾーンも理想的な演奏でなにも言うことがありません。ソリストとしてもこのような実力をもった演奏家がコンサートマスターというのもやはりウィーン・フィルならではなのでしょう。

尚、席は正面バルコニーの一番上というステージからの対角線上反対の端で距離的には最も遠い場所でしたが音は今まで一番良かったねと妻とも話していました。とくにメンデルスゾーンのコンチェルトではソロもオケもバランスよく音はうまく混ざっているのだけど個々の楽器もはっきりと聞こえるというオーディオ桃源郷に限りなく近づいた感じ。ここ数日はうちのステレオを聴く気がおきません...(苦笑)。

ウィーン・フィルの公式HP:http://www.wienerphilharmoniker.at/

フォルクハルト・シュトイデ氏の紹介 (コンサートプロモーター、カメラータ・トウキョウのサイト):http://www.camerata.co.jp/artist/detail.php?id=530

2013年12月3日火曜日

Alice Sara Ott (アリス=紗良・オット)のコンサート 


(Canon S95で撮影)
11月30日土曜日は、Alice Sara Ott(アリス=紗良・オット)のコンサートに妻と行って来ました。二晩連続。ハードな出張であったので疲れがまだ残ってましたが、出張が急に決まる前にチケットを手配していたので...。場所はコンツェルトハウス・モーツァルト・ザール。プログラムは:

Franz Liszt (フランツ・リスト) :
Légende Nr. 1 S 175/1 «St. François d'Assise: La Prédication aux Oiseaux» (「2つの伝説」第一曲 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ)
Consolations S 172 (コンソレーション・慰め)
Ungarische Rhapsodie Nr. 2 cis-moll S 244/2 (ハンガリー狂詩曲2番)

Modest Mussorgski: Bilder einer Ausstellung (ムソルグスキー「展覧会の絵」)

数年まえにセンセーショナルな世界デビューを果たした25歳のオットは評判通りとても力強くダイナミックで迫力のある演奏でした。とくに「展覧会の絵」は素晴らしかった。この曲は、もともとがピアノの曲なのですが、ラベル編曲のオーケストラ版が有名でこれによりこの曲が世界的に有名になったとされています。僕もしばらくはオーケストラ版と富田勲のムーグバージョンとELPのロックバージョンしか聴いたことがありませんでした。10年ほど前にキーシンのCDを買って初めてピアノ版を聴いて感動を憶えた記憶があります。そのときにオーケストラ版も悪くないけどやはりピアノ版がいいなと思いました。それ以来、この曲をききたくなるとキーシンのCDを取り出してきます。今回のコンサートもこの曲のピアノ版を生で聴きたかったとのが行きたいと思った理由の一つでした。その期待を充分に上回る演奏だったと思います。

アンコールは、リストのパガニーニによる超絶技巧練習曲 第4番(S.140 ・4)。この日演奏した曲はすべてがとても体力を使うアスレチックな曲ばかりで、このアンコールの後はスタンディング・オベーションの客席にゴメンサナイのジャスチャーをして楽屋に下がっていきました。

このコンサートでひとつ気になったのはそれぞれの曲がとても似通って聴こえたという事。曲ごとに異なる色彩・色調があればもっと面白いコンサートになっていたと思います。若くて新進のピアニストなので今後の活躍がとても楽しみです。

Alice Sara Ottの公式HP: http://www.alice-sara-ott.com/sites/japanese/home.html

Ott演奏の「展覧会の絵」と僕のお気に入りのキーシンの「展覧会の絵」のCDです:



2013年12月1日日曜日

Julia Fischer (ユリア・フィッシャー)コンサート@ Musikverein

出張から戻りました。着いたら小雪が降っておりちょうど零度ぐらい!

(Canon S95 で撮影)

さて、まだ時差ぼけも抜けていないのですが、11月29日金曜日の夜は、Julia Fischer (ユリア・フィッシャー)のコンサートに妻と二人でいってきました。場所は楽友協会大ホール、伴奏はMilana Chernyavska。

プログラムは:
Giuseppe Tartini: Sonate für Violine g-Moll, „Teufelstriller“ (タルティーニ:悪魔のトリル)

Felix Mendelssohn Bartholdy:Sonate für Violine und Klavier F-Dur (メンデルスゾーン:バイオリンソナタヘ長調)

Pablo de Sarasate: Malagueña y Habañera, op. 21、Romanza Andaluza y Jota Navarra, op. 22、
Playera y Zapateado, op. 23、Caprice Basque, op. 24 (サラサーテ:スペイン舞曲集より、マラゲーニャ、ハバネラ、アンダルシアのロマンス、ホタナバーラ、祈り、サパテアード、バスク奇想曲)

Maurice Ravel:Tzigane. Rhapsodie für Violine und Klavier (ラベル:ツィガーヌ)

時差ぼけをも打ち負かす素晴らしいコンサートでした(訳:眠くなら無かった ^O^)
なによりも超絶技巧作品ともいわれるサラサーテをごく普通の曲のように危なげなく弾きこなし安心して聴いていられる完璧なテクニック。とても綺麗な演奏でもう少し泥臭さとドラマチックな感情移入があっても良かったか? という気がしないこともなかったのですが、これも彼女のスタイルで個性がでていた訳でこれはこれでとても良かったと思います。メンデルスゾーンは最高で、この曲を再発見したような気になりました。

ユリア・フィッシャーは、これらの作品が収められたCDを来年早々に発売するそうです。

ユリア・フィッシャー公式HP:http://www.juliafischer.com/index.php/en/

2013年11月21日木曜日

Sansui AU-D707G Extra

思い出のオーディオシリーズ最終話です。

(Canon S95)
僕が最初にかったオーディオシステムのアンプは山水のAU-D707G Extra。これも 前回書いたBose同様に実家のリビングに長年置かれていました。2週間ほど前に帰省した際に作動する事を確かめ、Bose 301 MM II と Infinity InfiniTesimal を鳴らしてみました。 何しろ十何年ぶりにマトモに鳴らしたのですから最初はちょっと?という感じでしたが、二日ほどすると大分まともな音が出るようになりました。

で、思ったのはONKYO CR-555がいかに良いかという事。AU-D707G Extraは発売当時の定価が12万円程度でしたから物価上昇を勘案すると、割引なしでもCD Player とTunerとプリメインアンプが一体化しているCR-555のコスパがいかに優れているかが歴然です。707は部品等の劣化もあるのでしょうが、やはり時代と共に技術は進歩しよい音がより手頃に得られるようになっているようです。

沖縄を発つ前にONKYO CR-555と甦ったBose301MMIIは実家のリビングに、SansuiとInfinityは元僕の部屋に設置 してきました。昔、バイオリンを弾いていた母は早速CDをかけて音楽を聴いて楽しんでくれているようでした。よかった。

仕事で出張が入ってますので暫し更新が滞るかもしれませんが悪しからずお願い致します。



2013年11月15日金曜日

Bose 301 Music Monitor II のエッジ交換

ウィーンに戻ってきました!でも、これは今回の帰省の際の思い出のオーディオシリーズ第2弾です。
 古いエッジを取り除いた状態 (Canon S95)

先日書いたInfiniTesimalを買うまでメインだったスピーカーはBose 301 MM (Music Monitor) II。これも僕が26年前に渡米する際に実家においっていったもの。しばらくは実家のリビングのステレオに使われていた。僕のオーディオ原体験はアメリカ帰りの従兄弟が使っていたBose 301 (初期型)であったため、僕が初めて自分で買った本格的オーディオ装置のスピーカーにはどうしてもBose が欲しくて求めたのもの。もうだいぶ前からエッジがぼろぼろであったが思入れのあるスピーカーであったのでいつか修理をしたいと思っていた。今回の帰省でやっとそれが出来ました。



修理完了! エッジを長持ちさせるというFoam Guard Sealerも塗布 (Canon S95)

懐かしの音が戻ってきた?  う〜ん、もっと良い音だった思い出が...。大学の寮のオーディオ好きの先輩に『...ちょっとドンシャリだね〜...』 と言われた事を思い出してしまいました。

尚、今回使用したスピーカー・エッジはここで購入:http://www.simplyspeakers.com
Paypal決済で日本まで送ってくれました。他にもGoogle で検索すればたくさん出てきます。YouTube で「speaker foam repair」で検索すればインストラクションビデオがたくさん出てきます。尚、英語ではエッジのことをspeaker foam とか speaker surround等と呼んでいますで検索はそれですると良いかと思います。

2013年11月12日火曜日

チェリスト平野玲音ソロコンサート


平野玲音ファンクラブ公式サイト(http://reine-h.com/index.html)より引用
ウィーンを拠点に活躍されているチェリストの平野玲音氏のソロコンサートが11月19日にそソノリウム(東京都杉並区和泉3-53-16、井の頭線永福町駅)で開かれます。是非いらして素晴らしい演奏と美しいチェロの響きを満喫してください!

コンサートのご案内:http://reine-h.com/pdf/reine-pur-6_flyer_20130911.pdf

ソノリウムHP:http://www.sonorium.jp/index.html

2013年11月10日日曜日

Okinawan 菓子パン

沖縄には独自の菓子パン文化があります。物思いがついてから高校生の頃までおやつとして、高校生になってからは時には食事代わりに食べていた物です。沖縄の人々が本土(沖縄では他の都道府県を指して「本土」とか「内地」はては「日本」と呼んだりします)に行って感じるカルチャーショックの一つが売っている菓子パン類がちがうということ。僕も東京の大学に進学した際に感じた事です。 沖縄の菓子パンの代表例を3品紹介!と、いっても僕が好きな物Top 3というだけですが...。

まずはうず巻きパン:

うず巻きパン(Canon S95)
ふわふわのパン生地で出来た特大ロールケーキの分厚いスライスと言うイメージの菓子パンです。特徴はそのクリームでとてもソフトでありながら砂糖が完全に溶けておらずサクサクという感触があること。これはアメリカのデコレーションケーキのクリームに通じるところがあります。食べる手がベタベタになってしまいます。原料表示をみるとショートニングとグラニュー糖とある、カロリーは?

お次はメロンパン。え?どこにもあるだろうって? 沖縄のメロンパンは違うのです。

メロンパン(Canon S95)

このように楕円形でチョコレート色しています、そして中にマーガリンが入っている。チョコメロンなどと書かれています。さすがに今では、淡い黄色の「フツー」のメロンパンをどこでも売ってますが子供の頃はメロンパンというとこれしかなかった。中にはご丁寧にメロンの絵が袋に書かれたのもあって、子供の頃はチョコレート色のパンがなんでメロンパンなんだろう?と、思っていました。味はマーガリンを除けば普通のメロンパンとそんなに変わりません。写真のウルトラというのは特大サイズということ。実家近所のスーパーではなぜかウルトラ版しか売っていません。

そして、最後はピーナッツ・サンド:

ピーナッツサンド(Canon S95)

これは、どこにでもありそうなんですがないんです。パンがとてもふわふわで中にもったいぶった感じでとても控えめにこれもふわふわな食感の「ピーナッツ・クリーム」がはいっています。なんで「」にいれたかというとほとんどピーナッツらしい味がしない。僕が子供の頃の沖縄はアメリカの物資/食材があふれておりピーナッツ・バターにも親しんでいたので、なんでこれがピーナッツ・サンドなんだ?と、思っていました。でも、その頃はこのパンはあまり出回っていなかったようでなかなかお店で見つける事が出来ず、子供の僕にとっては幻のパンであり、見つけたらせがんでよく買ってもらっていたという憶えがあります。当時は製造/流通がまだ発達していなかったのでしょう。

僕にとってこれらの菓子パンは思い出の味であり、帰省するたびに買って娘達とシェアして食べています。客観的にすごく美味しいものでは無いと思いますが、昔から変わらない味が保たれており懐かしいものです。沖縄の食べ物というと全て健康的というようなイメージがあるかもしれませんが、このようなジャンク・フードも立派に沖縄の食文化の一部です。最近の沖縄は豊かになって飽食気味の車社会となってきているので、以下の広告をモノレールの中で見かけました。

ゆいレール車内広告(Canon S95)

でも、公共交通機関を利用している人たちにはあまり太り過ぎの人たちは多くないような気がしましたのでもっと効果的な場所を探すべきでしょう。

2013年11月7日木曜日

Infinity InfiniTesimal と Onkyo CR555

Onkyo CR-555(Canon S95で撮影)

もう26年ほど前、僕は使ってたオーディオ機器を実家に置いて渡米しました。今回の帰省ではそれらを整理することにしました。うまく作動しない物は廃棄処分出来るように手筈を整えています。ラジカセも壊れていて処分したので、短期の帰省とはいえ息抜きに音楽を聴きたくて色々と調べてOnkyo のCDレシーバー CR−555 をアマゾンから購入。なんと53%オフで2万2千円ちょっと。これで渡米前に使っていたInfinity の InfiniTesimalというスピーカーをならしてみました。
Infinity のロゴ (Canon S95)

Infinity は1960代後期に設立されたオーディオ用スピーカー・メーカーですが1980年代初頭にInfinity Reference Standard (IRS)という高さ2.29m、総重量544.8kg、当時の価格で一千万円というモンスター・スピーカー・システムを発売し世界のオーディオファイルとオーディオ業界の度肝を抜き、その比類無比なパフォーマンスで名声を確立しました。そのInfinityがIRSと同じ頃だした超小型(当時)のオーディオ・ファイル向けのスピーカーがこのInfiniTesimal。高さ28 cm 、幅16cm、奥行 13cmほどのミニ・サイズながら65Hz~32KHz+/- 2dbというスペックでIRSに使われたEMIT (Electric  Magnetic Induction Tweeter/エレクトロマグネチック・インダクション・トゥイーター)と発明者のWilliam H. Watkins氏にちなんでWatkins Woofer(ワトキンス・ウーファー)と呼ばれた独自のデュアルボイスコイル方式のウーファー・ユニットが搭載されています。エンクロジャーはアルミ・ダイキャストで小さいながら11kgとどっしりとした重さがあります。

EMIT (Canon S95)

僕は大学生の頃このスピーカーがオーディオショップで鳴っているのを聴いて、こんな小さいのスピーカーからなんでこんな凄い音がしているのだろうととても驚いたことをいまでも鮮明に思い出せます、さらに値段をみてこんな小さいのになんでこんなに高いんだと再度ビックリ。でも多分縁があったのでしょう、その出会いから2年ほど後の社会人なりたての頃、手頃な値段の中古品に出会って最初のボーナスで入手しました。

さて、四半世紀経って再び聴いてみたInfiniTesimalの音の印象ですが、音楽ファンもオーディオファイルも共に満足させられるような調和のとれた素晴らしい音です。小さなスピーカーですが低域も充分で、リアルでナチュラルな中域、そしてディテール豊かな高域はホールトーンなどもちゃんときこえます。どちらかというとジャズ、ポップス、ロックの方が得意なようで、クラシックもちゃんと鳴りますがやはり器楽曲/室内楽のほうが良いようです。

InfiniTesimal (Canon S95)
ここで忘れていけないのはOnkyoのCR−555のパフォーマンスでしょう。このスピーカーは結構シビアに音源や機材の粗を出すことが有ったという思い出がありますがそれをとくに感じていませんから...。これだけの物が2万円ちょっとですからメーカーさんも大変でしょうね。ただUSB入力とくにiデバイスからの直結するのはファイルフォーマットなどの制限あってあまり上手くないのでピュア・オーディオ機器としての使用を前提に買うのが良いとおもいます、サブシステムにはお勧めです。 あと、使うに際してはトーン・コントロールを使わないダイレクト機能で聴くことをお勧めします。この方がはっきりとわかる音の良さです。



尚、数々の素晴らしいスピーカーを発売したInfinity社も90年代初頭にはハーマン・カードン社に買収され、少し前にでたInfinitesimal 4は全くの別物です。創業者の一人のArnie Nudelle氏は1991年初頭にGenesis Technology社を作りましたが、それも今は異なる社主のもとで営業が続けられています。


2013年11月4日月曜日

原点回帰:レトロな新型DSLRーNikon DF 11月5日正式発表!?


欧米のカメラ関係サイト/ブログで話題になっているのがこれ! ニコンが自らYouTube に思わせぶりなビデオをシリーズでリークしたもの。"It's in my hands again." (再び私の手元に戻って来た)とのキャッチフレーズで一眼レフの原点に戻るということを強調している様子。




シリーズ最新話には新しいカメラのデザインが断片的に見えています。

FXのロゴが見えるのでフルサイズDSLR。ブリズム部分にはストロボクリップが...
www.dpreview.comより引用
なんとシャッターダイヤルが付いている!

www.dpreview.comより引用
裏はフツーのデジタル一眼。

www.dpreview.comより引用
このビデオには旧型ニッコールレンズの様に見えるレンズを取り付けている場面もあり、非CPUレンズのみならず、非Aiレンズも付く!なとどいう噂が飛び交っています。明日には正式発表になる? ニコンユーザーでカメラ好きの僕としては是非とも手に入れたい!

FujiのXシリーズといい、オリンパスのE-M5 や STYLUS 1 などクラシックなルックスのカメラが目白押しで僕のようなフィルム時代からのカメラ好きには嬉しい限りですね〜。でも、先立つ物が...。

引用ソース:http://www.dpreview.com/news/2013/11/01/latest-nikon-video-shows-possible-digital-fm

琉球王朝祭り首里

大正生まれの父が、先日胃の手術をしたのでお見舞いがてら帰省しました。10日ほど滞在の予定です。偶然にも毎年11月3日に行われる首里で最も大きなお祭り「琉球王朝祭り首里」(旧称:首里文化祭)と重なりました。大学進学で東京に出て以来、このお祭りのときに帰省したことは無かったので、なんと32年ぶり! 当然ながらだいぶ様代わりしていました。でも、沖縄とくに首里らしくゆったりとした、レイドバックは雰囲気はそのままでよかったです。このお祭りのメインイベントは、古式行列と旗頭披露のパレード。たまたま実家の前を通ったので見物。

古式行列:なぜかユーモラスな虎の旗が先頭 (EM-5, LUMIX 14-140)

古式行列:琉球王を乗せた駕篭(EM-5, LUMIX 14-140)

首里地区の各町内会が旗頭を披露(EM-5, LUMIX 14-140)

 首里末吉町の中国の影響を受けた獅子舞、凄かった(EM-5, LUMIX 14-140) 

「琉球王朝祭り首里」に関して:http://syuri-sinkoukai.com/ayumi2.html
首里末吉町獅子舞保存会:http://www.ntv.co.jp/burari/080105/info04.html